日本記者クラブにおけるハガティ大使の講演

*下記のハガティ大使の講演は、英語のトランスクリプトを翻訳したものであり、正文は英文です。

2018年11月16日
日本記者クラブ

杉田(弘毅)さん、土生(修一)専務理事、ありがとうございます。皆さま、こんにちは。日本記者クラブでの2度目の記者会見で、ご来場の全ての皆さんとご一緒することができうれしく思います。昨年この場所で申し上げましたように、メディアというものは、日米関係を語るにあたり有用な手段です。本日の講演を始めるにあたり、日本の聴衆の皆さんと、米国、さらに世界中で日米関係を説明し強調する手助けをしてくださった方々全てにお礼申し上げます。我々にはわくわくするようなストーリーがあると皆さんも同意してくださることと思います。日米のパートナーシップの新たな章の始まりにあたり、皆さんと共に引き続き仕事をすることを楽しみにしております。

本日の講演の最初の数分間で、今週初めのマイク・ペンス副大統領の訪日が大きな成功を収めたことをお話ししたいと思います。その後で、私が昨年言及した3つの重要分野、日米の安全保障、経済、人と人の結びつきについて進捗状況をご報告します。そしてもしよろしければ、駐日米国大使として最初の1年間で私が学んだり気が付いたいくつかのことについて、皆さんのお耳を拝借できればと思います。その後で皆さんのご質問をお受けします。

マイク・ペンス副大統領は、トランプ政権発足以来3度目の訪日をちょうど終えたところです。副大統領は火曜日(11月13日)に官邸で安倍首相と会談して、自由で開かれたインド太平洋地域の強化を目指す共通の目標を再確認しました。また、当該地域のエネルギー、インフラ、そしてデジタル連結性を進める両国の取り組みの具体的な進展を歓迎しました。

声明中のいくつかの共同の取り組みについては後ほど触れますが、詳細につきましては、皆様のお手元にお配りしました共同声明をぜひご覧ください。

副大統領は日本の偉大な友人です。それは、インディアナ州知事時代にさかのぼる彼の長期にわたる日本との結びつき、そして麻生副総理や他の日本政府高官と築いた強固な関係からも明らかだと思います。副大統領の訪問は、他の多くのトランプ政権高官による訪日の1つですが、米国が日本の最も緊密なパートナーで、トランプ大統領をはじめとする米国の指導者たちが、揺るぎない日米同盟とパートナーシップに代わるものはないと考えていることをあらためて証明しています。

日米関係の現状

次に、私と大使館の同僚が日々取り組んでいる3つの主要分野の進捗状況についてご報告したいと思います。私が昨年の講演の導入部分で皆さんに説明しましたように、私とチームは、安全保障、経済、人と人の結びつきという、日米関係における3つの要素を重視しています。我々は、この3本の柱を、在日米国大使館と領事館が、日々力を注ぐべき主要分野と考えております。

安全保障

日米の安全保障同盟が、インド太平洋地域の平和と安定の礎であることに変わりありません。米軍が総力を挙げて日本を防衛するという米国の決意は揺るぎません。

今年、この地域の課題に対する我々の協力は、さらに強くなっています。能力と相互運用性を高める両国のコミットメントも広がっています。昨年のこの時期以来、我々の外交と安全保障の連携は、増大する北朝鮮の核とミサイルの脅威により、その真価を問われてきました。

日本と緊密に調整しながら、我々はこの地域および世界中の国々と協力して、北朝鮮に圧力を加える運動に取り組みました。全会一致で可決された強力な国連安保理決議は3度におよびました。6月にシンガポールで行われた歴史的な米朝会談で、ついに金正恩から最終的かつ完全に検証された非核化の約束を引き出しました。

これらの約束の実現にはまだ多くの課題があり、米国はその実現に向けて引き続き北朝鮮に働きかけていきますが、日本国民が昨年直面した弾道ミサイル発射や核実験による日々の脅威は低下しています。同盟国である日本と韓国の揺るぎない決意のおかげで、我々の即応態勢と抑止力は高く保たれ、同盟国の総合力は我々の安全を保っています。

その一方で私は、米国は引き続き、北朝鮮の拉致問題解決に向けて日本を支援する決意だということを強調したいと思います。私はこれまで拉致被害者のご家族に3度お会いしました。最初は昨年11月に、トランプ大統領と一緒にです。2度目は今年初めに公邸にて、そしてごく最近では新たに就任したスティーブン・ビーガン国務省北朝鮮担当特別代表と共にお会いしました。米国は引き続き大切なご家族を拉致された方々と共にあり、拉致被害者の日本への帰国実現を支援をするため最大限努力することを保証します。我々は、ご家族を拉致された方々の苦しみや痛みを決して忘れることはありません。

米国は、日本とこの地域の同盟国へのコミットメントを継続します。米国が今年新たに増額した防衛費は、この地域の安全保障問題への対処を正面から見据えて、航行と上空飛行の自由を確保する我々の取り組みを強化し、合法的な海上と空域の利用を尊重するものです。

我々は自衛隊の即応態勢と有効性だけでなく、米国との相互運用性を強化するため、米国の同盟国である日本に対して、引き続き最先端の防衛能力を提供していきます。8月に開催された東南アジア諸国連合の会合で、米国は地域の安全保障支援におよそ3億ドルを拠出すると発表しました。これらは、インド太平洋全域の国々の海洋安全保障、人道支援、災害救援、平和維持能力の支持のために使われます。それ以外にも、国際犯罪に対処するために使われる予定です。

これは我々が過去3年間に提供した支援を上回るもので、自由で開かれたインド太平洋地域を促進するため、日本や他のパートナーと取り組んでいく米国の決意を示したものです。

我々は今後も、安定を促進し、海上、空域、サイバー空間への自由なアクセスと移動を確保するため、インド太平洋地域のパートナーと協力していきます。また、共通の脅威に対して対処します。

覚えておいていただきたい点は、日米の安全保障同盟は常に強化されていることと、域内での脅威と課題に取り組むために、これまで以上に緊密に連携しているということです。

経済的結びつきと通商

今年は、日米関係の経済・通商面で記念すべき年になりました。

外国直接投資に関しては、日本企業が米国に投資するのにこれほどの好機はありませんでした。トランプ大統領の指導力の下、米国は規制を合理化し、法人税の大幅な引き下げを行いました。

これらを実施したことで、米国はこれまで以上にビジネスフレンドリーな国になりました。

過去1年間で、米国経済は毎月20万人以上の雇用を創出しました。失業率は、約50年前の1969年以来の低い水準です。さらに、経済成長は加速し、景況感と消費者信頼感は高く、賃金は上昇しています。

米国は対日直接投資国の第1位で、日本で35万人以上の雇用を創出しています。昨年、日本は約440億ドルを米国に投資しました。総額5000億ドル近い投資は、米国人およそ100万人の雇用を支えています。

これは投資家には非常に喜ばしいニュースであり、日米両国にとって成功と言えます。

もちろん、通商における今年の大きなニュースは、トランプ大統領と安倍首相がニューヨークで、両国の通商合意達成を目指して、協議の開始に合意したことです。

米国と日本は、必要な国内手続が完了した後で、物品、サービス、投資における日米貿易協定の交渉を開始します。

これらの交渉は2019年初めに開始されることになりそうです。

両国はなぜこれらの協議を前進させる合意をしたのでしょう。世界第1位と第3位の経済大国の合意は、両国経済の競争力を強化し、日米の生産者と消費者双方の利益となるからです。日米の通商関係が、両国が他の全ての面で享受しているのと同じレベルの卓越性を持つことは道理にかなうことなのです。

通商協議開始の発表とは別に、両国の経済関係におけるもう1つ重要な進展について述べたいと思います。トランプ大統領と安倍首相の最近の会談に続いて、日米両国は、中国などの第3国による市場歪曲的な政策と慣行から、日米の企業と労働者をさらに保護する決意を表明しました。

日米は欧州連合と共に、世界貿易機関改革、電子商取引、不公正な貿易慣行についての協議を進めています。我々は、知的財産収奪、強制された技術移転、通商を歪める産業補助金、さらには国有企業が生む各種の歪みや過剰生産に対処しています。これらの取り組みの背景にある意図は、同じ価値観を持つ経済パートナーと協力して、不公正な貿易慣行から我々の労働者と企業を守ることです。

我々の経済関係について1つ重要なメッセージを挙げるとすれば、日米の経済関係、そして公正で責任ある通商慣行を世界中で促進する取り組みの両方で、我々は大きく前進したということです。

人と人との結びつき

昨年もお話したように、日米同盟の根底にあるのは、両国民の間にある深く、長い絆です。私は、駐日米国大使に着任した初日に安部首相と会い、主要な都市を飛び出して日本を隅々まで見てほしいというアドバイスをいただきました。この1年、北海道から沖縄まで家族と共に日本各地を訪れ、日米両国民の結びつきをじかに見てきました。

関西では、娘クリスティンと阪神甲子園球場に出かけ、全国高校野球選手権大会の決勝戦を手に汗握りながら観戦しました。

息子たちとは、能登半島で開催された今年のスカウトジャンボリーに参加し、全国各地から集まったスカウトたちと一緒にキャンプをしました。そこでは、今年の夏、西日本を襲った豪雨で浸水被害を受けた地区から参加していたスカウトたちとも交流を持ちました。

岩国市では、福田市長と絆スタジアムで、米軍岩国基地と地元住民の深い友情をたたえるため「友好の木」ハナミズキの植樹を行ないました。

また、家族と一緒に中山道の馬籠から妻籠までハイキングした際には、日本の歴史の独特な一面を体験することができました。また、道中、街道沿いの町で、新たな出会いにも恵まれました。

ここ東京では、2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会を、日米両国民を結びつける新たな機会と捉えています。今年の夏には小池東京都知事と一緒に、大使館の旗艦プログラム「Go for Gold」の開始を発表しました。

東京都教育委員会との協力の下、大使館は関東全域の学校に、オリンピック・パラリンピックに出場した米国人選手などをスピーカーとして派遣し、米国の文化や社会を紹介する活動を実施しています。

また、スピーカーたちは、日本の子どもたちと教育交流プログラムについても意見交換をしていきます。これは私たちにとって貴重な機会となります。大使館で働く米国人職員全員が、オリンピック開催前に、少なくとも1校、東京および近隣県の学校を訪問する予定です。

英語で「Go for Gold」とは、「最善の結果を目指して全力を尽くす」という意味です。私は、東京オリンピックは素晴らしいスポーツの祭典になると確信しています。しかし、私たちが考える東京オリンピックの最善の結果とは、それだけではなく、日米両国民があらためて強い絆で結ばれることです。それを可能にするのが、活気に満ちたプログラム「Go for Gold」です。

既にプログラム開始後、大使館職員が訪問した学校は30校に上り、3800人以上の子供たちと交流を持ちました。今月からはプログラムを全国展開し、札幌から那覇までの日本各地の米国領事館も「Go for Gold」に参加します。

私の最も重要なメッセージは、「Go for Gold」プログラムのような新しいイニシアチブを通じて、両国がさらに絆を強固にしているということです。

共通の価値観と理念

駐日米国大使としての最初の1年で私が気付いた大切な事として、日米関係の成功の土台を作っているのは、日米両国民が築いた絆であることを挙げたいと思います。

このような絆や、そこから生まれる相互理解や友好がなければ、日米は安全保障および経済において強固な関係を築くことはできないでしょう。

私と家族は幸運なことに、この美しい国でさまざまな分野の方々にお会いする機会に恵まれました。その中で私たちは、日米両国民が世界観や世界との関わりについて共通の考えを持っていることに気付きました。相違点があるにもかかわらず、なぜ両国民は同じ視点から物事を見る傾向にあるのでしょうか。

日米の相互理解はどこから生まれるのでしょうか。歴史も文化も大きく異なり、広い海によって隔てられ、遠く離れた2つの国が、共に手を携え、世界で比類なき関係を構築する。一体何がこれを可能ならしめるのでしょうか。私は断言します。日米関係の成功の秘密は、両国民が共有する価値観と理念にあります。

国民への尊重、人間の尊厳、法の支配、報道の自由、市民社会の支持、人類の進歩を信じる力といった理念は、日米両国民が大切にする価値観を形成しています。

日米両国民は、政治指導者を選挙で選びます。多くの国の国民は選挙で選ぶことができません。日米両国民は、指導者の責任を問う報道の自由を有しています。多くの国の国民は有していません。日米両国民は、活気ある市民社会を享受しています。多くの国の国民は享受していません。

このような価値観が、私たち個人としての、また国家としての指針となり、成功する日米同盟の重要な要因となっています。

過去の偉大な同盟は、軍事力や経済力に基づいていました。しかし、そのような同盟は、いずれ崩壊します。国力を構成するこのような要素は、短期的には非常に重要ですが、永続的なものではありません。

サイバー脅威や虚偽の情報、また米国とその同盟国がこの地域への関与から手を引いているというばかげた話など、先行きの読めない新たな課題がひしめいています。そのような領域へと向かう中で、日本、米国、そして米国の同盟国の成功をいかにして保証していくのでしょうか。

私たちは、日米関係に寄与し、かつ70年にわたる前例のない経済および社会発展を通してインド太平洋地域に活力を与え、その結果として、域内の多くの人たちを貧困から救い出してきた基本的な理念と価値観を堅持します。

インド太平洋地域は米国にとって最重要地域です。この地域には、世界で最も人口が多い国上位10カ国のうち8カ国があり、世界人口の50%以上を有しています。米国が条約を締結している同盟国7カ国のうち、日本を含む5カ国はこの地域にあり、域内には30万人の米軍兵士が駐留しています。

インド太平洋地域の経済規模は、全世界の4分の1を占め、米国とこの地域との双方向の年間貿易総額は、およそ1兆8000億ドルに上ります。さらに、昨年の米国のインド太平洋地域への直接投資額は、累積ベースで9400億ドルに達し、2007年以降2倍以上に拡大しています。

米国が今後もこの地域への関与を拡大し続けていくのは明らかです。我々は、日本および同じ志を持ったパートナー諸国との連携を強め、我々が共有する理念および価値観を推進していきます。この地域での我々の取り組みを凝縮したのが、米国が進める自由で開かれたインド太平洋戦略です。

我々がインド太平洋諸国に望んでいるのは、他からの支配を受けず、この地域で自ら選んだ道を主権ある形で進むことです。

国レベルでは、インド太平洋諸国の社会に対して、優れた統治、基本的権利、透明性および反腐敗において、今まで以上に自由度を高めることを望みます。これは、日本、米国および志を同じくする国々が大切にする共通の価値観と理念に基づきます。

我々にとっての開かれたインド太平洋地域とは、何よりもまず、開かれた海上交通路、開かれた空路、かつ、それらと同じくらい重要である、開かれたサイバースペースを意味します。

世界貿易の50パーセントは、インド太平洋地域の海路、特に南シナ海を経由することから、インド太平洋における開かれた輸送路は、世界にとってますます重要度が増しています。

第二に、我々にとって開かれたインド太平洋地域とは、インフラ整備の改善による、より開かれた経済成長を意味します。インド太平洋地域にはインフラ格差があります。さらなる地域の統合および経済成長を推進する上で、インド太平洋地域に必要なものは何でしょうか。

我々は、この地域が正しい方法でインフラを整備できるよう支援したいと思っています。我々は、域内諸国を持続不能な債務で圧迫するのではなく、真の意味での統合を加速し、環境を破壊することなく、それぞれの国が国内総生産を押し上げるようなインフラ開発を望んでいます。

エネルギーは、我々が共有するビジョンを進めるうえで重要な役割を果たします。日米は先月、エネルギー分野の開発の前進に向け協力を拡大する道筋を示しました。

この協力は、域内統合を促進し、かつ優れた統治原則、全ての利害関係者の権利の尊重、入札および融資の透明性を順守するものです。

また、開かれたインド太平洋地域とは、開かれた投資をも意味します。過去数十年にわたり米国は、より開かれた投資環境および透明性のある規制構造を支援してきました。私たちは、イノベーション創出者や起業家たちを含む域内の全ての人たちが、投資環境を活用し、域内全域で経済成長を推し進めることができるような環境づくりを目指しています。

開かれたインド太平洋地域とは、より開かれた貿易でもあります。公平かつ互恵的な貿易は、数十年にわたり米国が支持してきたものであり、トランプ政権にとっても例外ではありません。

この自由で開かれたインド太平洋戦略とは、米国が日本および域内の主要同盟国と共有する理念と価値観を基盤としています。よって、域内の課題に対処すべく我々が進める個々の戦略は、完全に整合性がとれています。

我々は、日本や同じ志をもった他の国々と共に、自由で開かれたインド太平洋地域という共通のビジョンの実現に向け行動しています。先に述べたように、我々は北朝鮮の非核化など安全保障上の課題において、かつてないほど連携しています。我々は、域内のインフラ整備および経済関係の強化に向けて、パートナー諸国との関わりを深めています。また、日米両国民の絆をさらに強固にするため、「Go for Gold」などの活気ある新たなプロジェクトにも取り組んでいます。

日本およびインド太平洋地域への米国の関与は、かつてないほど強まっています。今後、皆さんと一緒に、素晴らしいストーリーを作って世界に発信していきたいと思います。

ありがとうございました。よろしくお願いします。


質疑応答

*下記のハガティ大使の発言および英語での質問は、英語のトランスクリプトを翻訳したものであり、正文は英文です。日本語での質問は、日本語のトランスクリプトを掲載しました。

司会:大使、どうもありがとうございました。先ほど大使のお話にもありましたが、大使は東京の外にも足を運ばれて、共同通信に加盟している地方の新聞社のインタビューなども受けていらっしゃいます。地元の方もたいへん喜んでいます。大使はフレンドリーな方ですので、これからも地方メディアと、インタビューなどをしていただければと思います。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

今日の大使のスピーチでは、日米の通商問題にかなり触れていらっしゃいます。今日もその点について、多くの質問が集まっています。まず最初の質問ですが、これは非常に包括的なのですが、米国の対日貿易赤字削減のため、何が一番必要だとお思いでしょうか。私から4つの選択肢を挙げたい思います。1番目は日本の自動車の対米輸出の削減です。これは別の方からの質問ですが、もし削減するのであれば、具体的にどれくらい削減するべきだとお考えでしょうか。2番目は、日本のメーカーの現地生産の拡大、3番目は、日本が米国の車をもっとたくさん輸入すること。4番目は農業に関することですが、日本の牛肉と大豆輸入の拡大です。これらの4つの選択肢の中で、どれが一番米政府あるいはトランプ大統領が満足するような結果をもたらすでしょうか。

ハガティ大使:かなり複雑な質問ですね。しかし、答えは簡単です。4つの選択肢全てが答えです。日米双方を利するような形でこれを実現することは可能だと思います。私は、2国間貿易協定の方向に向けた日米のこれまでの進展に対して、かなり楽観的です。この2年間、米国の対日貿易関係を前進させることについて多くの議論を重ねてきましたが、トランプ大統領と安倍首相はその一環として、非常に前向きな議論を持ちました。

安全保障、外交関係、また人と人との結びつきにおいて、日米関係に匹敵する対外関係は、どの国にも存在しません。我々は、貿易関係も他の日米関係と同じレベルに置く必要があります。私は、日米両国がそのプロセスを開始し、間もなくそのような状況となるような関係を築いていくと確信しています。それが実現すれば、日米が引き続き経済関係を深めていく道が開かれると思います。

それを実現する手段に関して、いくつか挙げていただきましたが、私はさらに一歩踏み込みたいと思います。国境を越えた資本の流れは、日米経済関係にとって重要なものですが、同時に日米の戦略的パートナーシップにとっても非常に重要です。先にも述べましたが、米国は日本にとって最大の直接投資国です。より多くの資本が米国から日本に流入することは可能ですし、そうなるべきです。私は、イノベーションについて素晴らしい考えをもった日本の若手起業家たちと交流を持ってきました。また、米国の起業家や投資家を日本に招致し、医療やロボット工学、人工知能といった分野で連携が可能となる新たな手段を模索しています。新たな技術や投資は、難しい問題への対応を可能にします。このような技術や投資の原動力となっているのが人口動態であり、この地域で起きている大きな変化です。日米が手を携えれば、大きな前進が可能だと考えています。

日本の対米投資を増やすことに関してですが、これはビジネスの観点からも全く道理にかなっています。ご存じの通り、私は以前ボストン・コンサルティング・グループの社員として、3年間日本で勤務していたことがあります。その時の私の仕事は、リスク管理に関する企業へのコンサルティングでした。しかし、企業が全ての製品を日本で生産するということは、生産は円ベースで、価格はドルベースになることを意味します。そうすると企業のコスト構造全体がリスクにさらされることになります。もし製品を販売する市場で生産できれば、顧客との距離も近くなり、企業は通貨リスクを取り除き、自社のビジネスモデルのリスクをゼロにすることができます。

よって私は米国市場へ日本の資本流入が加速することを期待します。投資先としての米国の状況は、かつてないほど良くなっています。先にお話しした通り、我々は規制構造に大きくメスを入れ、国内の事業環境を改善するよう規制の合理化を進めました。かつて世界で最も高い法人税率を課していましたが、今ではより競争力のある税率へと引き下げています。これが意味することは何でしょうか。投資資本利益率が上昇します。また米市場も成長しています。今年のGDP成長率は3パーセントを超える見込みです。先にはさらなる大きな成長の機会があります。つまり、米国は市場規模、市場開放度および魅力において、世界ナンバーワンと言えます。

これは、日本企業による対米投資の継続を働きかけるうえで説得力のある話だと思います。日本の米国製品の輸入が拡大するかという点に関してですが、そうなることを期待しています。しかし、最高の技術と製品の普及を可能とするのは、自由で開かれた市場です。これは日本の消費者の利益になりますし、そのような製品を生産する国にも恩恵をもたらします。

私はまた、開かれた環境により、両国の経済がさらに連携を深める方向に動いていると楽観視しています。この地域で直面する課題を考えると、このことは、かつてないほど重要度が高まっています。ありがとうございました。

司会:通商に関してはたくさんの質問がきています。米国の変質、共和党の変質ということについてお伺いします。我々の認識では、共和党は自由貿易の政党であるとずっと思ってきました。昨今の情勢は、非常に保護主義的な政策を外国に求めているようです。共和党の貿易政策は、いつからどのようにして、このような保護主義的なものに変わったのでしょうか。これが今後また、自由貿易に戻る可能性はあるのでしょうか。

ハガティ大使:まず明白な事実から述べさせていただきます。米国は世界で最も開かれた市場です。日本など他国は、この開かれた米国市場から多くの恩恵を受けてきました。私たちは取り組みを間違え、保護主義の代わりに互恵性を達成しようとしているわけではありません。この点を確認しておきたいと思います。米国が求めているのは、日米両国がより公平かつ平等に競争できる環境を作り出すことです。過去数十年、米国は、他国の経済と貿易発展のために多額の投資を行ってきました。

皆さんにご紹介させていただきたい話があります。私は先ごろ、在日米国商工会議所会頭から、ある手紙を見せてもらいました。当時の在日米国商工会議所の会頭が1948年に、ダグラス・マッカーサー将軍に面会した時の議事録をタイプライターで打ってまとめた資料です。マッカーサー将軍は、米国商工会議所の幹部に対して、他国にいる友人や同僚たちに連絡をとるよう求め、マニラ、上海など他市場の友人たちに対して、日本と通商を行い、日本の製品を買うよう要請していました。これは1948年のことです。

米国は日本製品に対してとても寛大な環境を作り出してきました。一方、対日貿易赤字は継続した状況にあります。赤字額は年間700億ドルほどです。私は、日本の消費者と米国企業に恩恵を与え、かつ日米の通商関係を前進させる形での日本市場を開放する機会があると考えています。つまり、ここには素晴らしい機会があります。しかし、それは保護主義ではありません。米国は、今まで他国の経済成長の促進を支援する多額の投資を行ってきました。今米国が求めているのは、他国が米国と共に長期にわたり享受してきた市場アクセスと同レベルを米国が享受できる、より互恵的な関係です。

司会:次に移りたいと思います。日露関係については昨今、北方領土交渉が非常に大きなニュースになっています。現在焦点になっている2島、歯舞と色丹がロシアから日本に返還された場合に、米軍基地を造らないという合意の有無が話題になっています。このような合意がもしなされたとすれば、あるいは今後なされるとするのなら、米国はどのような反応をするのでしょうか。

ハガティ大使:今おっしゃた北方領土に関する最近の報道は私も承知しております。他にもさまざまなことが起きるという条件が付いた仮説の状況に関して、憶測することは控えたいと思います。この問題に関しては、日本、ロシア両政府に委ね、満足のいく解決に向けて両国が交渉を継続することを求めます。しかし、米軍のプレゼンスやどのような影響を受けるかという憶測に関して、私がコメントするのは時期尚早だと思います。

司会:日露あるいは日中の交渉に関しては、さまざまな関係改善の動きが安倍政権の下で進んでいます。こういった日本政府の外交に関して、米政府はどういった姿勢で見ているのでしょうか。日本が中国に近づきすぎているのではないか、あるいはロシアとの領土交渉において、米国の安全保障面の懸念を増すような合意がなされるのではないかという推測もありますが、そういった点について何かお考えはありますか。

ハガティ大使:この点に関して、いくつか私見を述べたいと思います。まず現在、日米同盟ほどの強固な同盟は世界のどこにもありません。日本の対外的な動きが、強い日米同盟の妨げとなったり、阻害することは決してないと思います。

もちろん米国は、対中国、対ロシアといった他国との関係を注視しています。ここにいらっしゃる多くの方は、ペンス副大統領が先ごろハドソン研究所で行った、米国の対中問題を取り上げた講演についてご存じかと思います。しかし、米国が中国に求めることは、日本が求めることと非常に似ていると思います。我々が求めているのは、法の支配、知的財産の尊重、補助金制度の廃止、そして国家主権の尊重です。

例えば、日米と欧州連合は一丸となって、中国で見られる非市場型の行動を改善する方向で、世界貿易機関(WTO)を改革することを求めています。日本は米国同様に、中国に対してかなり大きな利害関係を持っています。中国は全ての国にとって大きな市場であり、かつ重要な市場です。だからこそ我々が求めていることは、決して難しいことではありません。行動を変えることです。我々が長期的に対中関係で求めているのは、前向きかつ協調的な関係であり、対立関係ではありません。しかし我々は、中国に関して起きているこのような市場歪曲型の行動を看過することはできません。安倍首相による訪中が先ごろありましたが、私は、日米が共有するこれらの目標に変更はないと感じています。

ロシアに関しても、主権の尊重という点において、日米は同じ目標を共有していると思います。例えば、北方領土に関して挙げられた特定の課題は、日露間で数十年にわたり継続しています。日露がこのような課題を解決すれば、これは米国にとって喜ばしいことです。しかし、この問題に関しては、安倍首相とプーチン大統領が直接的に取り組む課題だと思いますので、両者に委ねたいと思います。私は、日本の対外関係により、強固な日米同盟に問題が生じるなどいささかも感じたことがありません。強固な日米連携に対する米国のコミットメント、日本と日本の安全だけでなく、地域全体に対する米国の強まるコミットメントが低下することは全くないと確信しています。

司会:次は北朝鮮情勢についてです。新しい兵器を開発したというような、北朝鮮の動きがあります。また、来年には米朝首脳会談があるのではと言われています。ただ、このところの動きは膠着状態かと思うのですが、現在の北朝鮮の動きをどのように見ていらっしゃいますか。また、非核化への動きを進めるために、いま何をすべきだとお考えでしょうか。

ハガティ大使:まず、北朝鮮の状況と我々の進展を鑑みるにあたり、私が1年前に皆さんと話をした当時のことを振り返ってみます。その当時、我々が目にしていたのは、北朝鮮による非常に挑発的な行動でした。皆さんも覚えているかと思いますが、日本の子供たちはヘルメットをかぶって登下校し、学校では避難訓練が実施されていました。昨年の今頃以来、爆弾は発射されていません。ミサイルも日本上空に飛来していません。一方、拘束されていた米国人3人が解放され、朝鮮半島で亡くなった米軍兵士の遺骨が米国に送還されました。状況は1年前と比べて大きく異なります。

6月に行われたトランプ大統領と金委員長との米朝首脳会談は、このプロセスの一段階にすぎず、これで終結という意味ではありません。しかし、この段階で、トランプ大統領は金委員長から、我々が望んでいる方向に動くという約束を取り付けました。ですから、進展には時間がかかります。私たちは皆、事が早く進むことを望んでいると思います。しかし、我々が今いる状況は、昨年私たちがこの場に集まった時と根本的に異なります。私は、突破口が開かれたと感じています。北朝鮮との長い歴史を考えれば、甘い考えを持つつもりはありません。しかし突破口は開かれ、そこに違いを感じています。

論理的な観点から見ると、北朝鮮経済は中国に大きく依存しています。我々は、北朝鮮に対して、日米と協調することで、北朝鮮国民のためとなる経済発展や成長の道を提供することができます。トランプ大統領が目指しているのは、北朝鮮国民に対して、暮らしがよくなる具体像を描き、そこに到達する道筋を示してあげることだと思います。

金委員長は、その方向に進むために、国内で難しい状況を切り抜ける必要があると思います。私は、我々が最大限の圧力をかけ続ける限り、機会はあると思います。しかし、我々の戦略は最大限の圧力を維持することだということをあらためて申し上げます。日本はこの戦略に同意しています。日米は共に、この地域および世界各地のパートナー諸国に対して、国連安全保障理事会での決議が確実に履行され、維持されるよう働きかけています。

北朝鮮問題への対応では、トランプ大統領と金委員長が協議することで突破口を開くこと、それと同時に圧力維持を組み合わせることが、前向きな結果を生み出す道筋になると思います。

司会:その点については、中国がどう行動するかということが重要になると思います。米国と中国のいわゆる貿易戦争が続いています。これが今月末のアルゼンチンでの首脳会談で、何らかのディールに達する可能性はあるのでしょうか。

ハガティ大使:あなたと同じように、私もアルゼンチンで物事がどう進展するか高い関心を持っています。アルゼンチンという良い環境で、ある程度の前進が見られると思っています。私は、アルゼンチンが一定の手順を設定する機会を提供してくれると期待しています。もしアルゼンチンで取り決めが成立すれば驚くでしょうが、状況のある程度の改善はあり得ると思っています。

中国が理解しなければならないのは、米国は貿易慣行に関する彼らの有害な行動を止めさせるため、強い決意で臨んでいるということです。この点に関してペンス副大統領は非常に明確に述べていますし、中国は米中両国が現在置かれている状況を理解していると思います。率直に言って、多くの日本人が中国に対する我々の見方に同意していると思いますし、世界中の多くの人々も同じように感じていると思います。

私がアルゼンチンで期待するのは、米中両国の首脳、トランプ大統領と習近平国家主席が協議を行い、緊張緩和に向けて前進し始め、状況の解決に向けた手順を設定することです。

もう一度言いますが、日本と米国は中国経済に深く関与しています。我々は問題解決を望んでいます。しかも前向きな解決を望んでいます。我々は、それは中国国民にとって最も良いことだと思っていますし、早く解決できれば世界経済にとっても良いことでしょう。しかし我々はこの有害な慣行を続けさせるわけにはいかないのです。

司会:皆様から挙手をいただいて、ご質問を受け付けたいと思います。

問:ちょうど玉城知事が当選して、米国を訪問し辺野古の見直しなどを訴えたところです。訪米前に大使ともお会いになられたと思いますが、玉城知事の訪米をどのようにご覧になりますか。それから辺野古の見直しを求めている沖縄県知事の立場を、大使はどのように見られていますか。この2点をお伺いします。

ハガティ大使:まず最初に米国は、沖縄県民の皆さん、そして皆さんが米国民に対して示してくださる友情に大変感謝しているとお伝えしたいと思います。沖縄には多くの米軍基地があり、そこで暮らす多くの米国民への支援に心からお礼申し上げます。

玉城知事との会談は非常に有意義なものでした。初めての会談でしたが、大使公邸でお会いする機会を持ち、差し向かいでお話しできました。知事はご自身の見解を大変明確に示し、私も自分の見解をお伝えしました。日本とこの地域における米国の最も重要な責任は、米軍の即応態勢を維持し、その能力を高く保つことです。北朝鮮や、広くは南シナ海を含むこの地域の脅威を考えると、米軍の即応態勢と能力の必要性は明確です。

日米は偉大な協力関係にあります。我々は、これまでの人口増加状況を踏まえて、沖縄の施設移転という課題に取り組む必要があります。私は知事に、これまで変わることのなかった米国の見解を伝え、知事はご自身の見解を私に伝えました。私は、会話と協議を通して、対立的手法ではなく、これまでよりもお互いに助け合うことのできる機会を持てると思っています。

知事は最近米国を訪問され、国務省・国防総省関係者と会談し、再度ご自身の立場を表明しました。また同時に、米国の立場も変わっていません。それは、日本で最強の戦力として、日本とこの地域の国々を守るという最も重要な必要性によって決められています。

問:今の質問のフォローアップになると思います。国務省・国防総省の幹部が玉城知事と米国で会った際に、日本政府、米国政府、そして沖縄県の3者協議の場が必要だということを強調していました。その可能性について、大使はどのようにお考えでしょうか。玉城知事が言っていたのは、今のような辺野古移設については受け入れられないという意思表示が極めてはっきりしている場合に、これ以上地元の意見を聞かないで工事を強行した場合、安定的な日米関係がかえって損なわれるのではないかということです。それについての大使のお考えはいかがでしょうか。

ハガティ大使:ありがとうございます。私は、玉城知事が提案あるいは推奨されたという3者会談の枠組み、あるいは知事が提案している特定の会議や会合については承知しておりません。申し上げられることは、我々は連日沖縄の指導者と対応しているということです。米軍中将のスミス四軍調整官は、沖縄米軍の責任者です。高いコミュニケーション能力の持ち主で、常に沖縄県や地元のコミュニティーと相互に協力しています。同様に我々の沖縄総領事館も、絶えず沖縄の人たちや指導者と日々交流しています。

同時に、我々の相互協力は日本政府レベルでも行われなければなりません。それは政府対政府の関係です。東京では在日米軍と防衛省との間で定期的な協議が行われています。我々が現在行っているこの方法の構造を変える計画はなく、また変わらないと思いますが、沖縄県民や指導者とのコミュニケーションを取ることは歓迎します。玉城知事は、私や沖縄海兵隊の作戦指導者だけでなく、ワシントンの国防総省や国務省関係者とのコミュニケーションにおいても、力強い第一歩を踏み出したと思います。そのような類の協力とコミュニケーションは、非常に前向きだと思います。早々と安倍首相を訪問し、その1、2週間後には再び上京して菅官房長官と会談していますので、コミュニケーションは、これまでに比べより頻繁で力強いと感じます。私の着任後は確実にそうなっています。このようなコミュニケーションを私は歓迎します。

問:通商について補足質問をしたいと思います。大使は先ほど、米国への投資がなぜ日本企業の利益となるのか、その理由をいくつか説明されました。米国市場の魅力、販売国の市場での生産、そして顧客との接近です。特に自動車については、2国間状況の均衡を取る1つの方法となります。日本車の対米輸出について、米国が上限設定を求めることはお考えでしょうか。

ハガティ大使:米国、メキシコ、カナダ3国間の合意条件を念頭に、この質問をされていると思います。物事を客観視するため一歩下がり、日米合意交渉過程の現状を説明するのが良いかもしれません。安倍首相とトランプ大統領がニューヨークで会談した直後、米通商代表のライトハイザー大使は、貿易促進権限に着手しました。これは議会が定める手続きで、進めるためには一連の具体的な手続きを踏む必要があります。

ライトハイザー大使はこれに着手し、その手続きが進行中です。我々は現在90日間の期限内におり、1月下旬に期限が終了します。今後数週間を通して、ライトハイザー大使と彼のチームは、議会、トランプ政権の関連部署、そして業界団体と協議し、具体的にどの分野で交渉を進めるかを定めます。彼らは現在、交渉の達成目標を設定する過程にあり、それを公開するには法的手続きが必要ですので、これ以上お話しするのは控えます。それがどのようなものになるかについて憶測はしませんが、1月中旬から下旬にかけて、皆さんは非常に開かれたプロセスをご覧になるでしょう。皆さんは、米国の交渉開始に向けた優先事項を目にするでしょう。

我々は、米国にとって重要な一連の問題、そして日本にとって重要な一連の問題を迅速に解明し、それらを解決できると確信しています。私はライトハイザー大使を全ての面において信頼しており、またよく存じております。世界で最も優秀な通商関係の弁護士の1人で、非常に有能で実務的な方です。また私は茂木大臣のこともよく存じ上げております。東京でボストン・コンサルティングに勤務していた時に、茂木大臣はマッキンゼー・アンド・カンパニーにお勤めでした。大臣も豊富なビジネス経験をお持ちです。茂木大臣とライトハイザー大使は、素晴らしい交渉チームとなり、日米両国にとって迅速で前向きな解決に到達すると思います。

問:通商協議について、もう1点質問いたします。日本政府としては、物品の交渉に限定するという意味でTAGと呼んでいて、それはFTAではないと主張しています。それに対する米国の認識と見解をお伺いします。

ハガティ大使:皆さんのお手元に共同声明のコピーが配られていると思います。そこに日米が合意した内容の正確な文言があります。合意された内容は、お手元のコピーに書かれており、他の内容はありません。そこに正確な文言をご覧いただけると思いますが、物品やサービスを含む他の項目に言及しています。合意は物品と、後のサービスと投資に関するものです。皆さんは正確な英語の翻訳もご覧になり、それを元に報道することができると思います。

問:第2次安倍政権後、イージス・アショア、F-35、オスプレイなど、FMS(Foreign Military Sales)での防衛装備品の購入が増えています。これに対する大使のご評価をお願いします。

ハガティ大使:安倍首相とトランプ大統領は、日本の防衛能力と米国との相互運用性強化について非常に建設的な協議をしてきました。先に述べましたように、現在、世界における同盟関係で、日米より強固なものは存在しません。我々の資産と人的資源という意味において、米国は世界で最大の投資を日本にしています。我々が日本の防衛能力と相互運用性を強化すれば、日米両国の利益となり、お尋ねになったイージス・アショア、オスプレイ、その他多くの装備の導入は、全てこの地域における利用可能で最も効果的で相互運用性の高い兵力を強化する過程なのです。

この地域で起きていることを幅広くご覧になれば、北朝鮮の脅威が大きく高まっているのがお分かりになるでしょう。また中国による活動と投資が、南シナ海の環礁と島々における軍事化に他ならないこともお分かりいただけるでしょう。日米の協議は時宜を得たものだと思います。この協議は重要で、大変前向きな方向に進んでいることを強調したいと思います。

司会:時間がオーバーしてしまいましたので、これで質疑は打ち切りたいと思います。最後にですが、大使にゲストブックに揮毫していただいた言葉を少し説明していただけますか。

ハガティ大使:よろしければ、まずある方の言葉を読み上げます。私の故郷テネシー州のサム・ヒューストンという元知事の言葉です。ヒューストン知事はテネシー州を離れ、後にテキサス州選出の上院議員になりました。テキサスが州になる前のテキサス共和国の第3代大統領でした。彼の言葉はわかりやすいものです。「私の唯一の座右の銘――結果を恐れず正しいことを行え」という意味です。

意味深い言葉だと思いました。というのも、多くの点でトランプ大統領の視点と大変似ているからです。大統領は、長期的視点に立ち、たとえそれが短期的には混乱を引き起こす可能性があるとしても、正しいと思うことをやります。大統領が長期的視点で達成を目指す目標は、彼が取るリスクに値するものだと思います。私は、それが現在の中国に関する状況にも当てはまる思っています。我々は皆、ブエノスアイレスでの協議が正しい方向に進むことを期待していますが、大統領は、たとえそれが心地よいものでなくても圧力をかけるでしょう。大統領は、正しいことをするために圧力をかけるでしょう。

司会:2本目になりますが、ロゴ入りのネクタイをお贈りしたいと思います。次回はこのネクタイをしておいでいただければ、ありがたく存じます。