2014年国別人権報告書―日本に関する部分

*下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。 米国国務省民主主義・人権・労働局 2015年6月25日 エグゼクティブ・サマリー   日本は、議院内閣制を採用する立憲君主制国家である。2012年の衆議院選挙の結果、自由民主党の安倍晋三総裁が首 相に就任した。2013年7月の参議院選挙により、連立与党が参議院の過半数を獲得した。11月21日、安倍首相は衆議院を解散し、12月14日に総選挙 を実施した。現政権の監督下で2回目の国政選挙となったこの選挙は、自由かつ公正とみなされた。当局は治安部隊に対する実効的な支配を維持した。   主な人権問題には、起訴前の被勾留者に対する適正手続きの欠如、刑務所および収容施設の劣悪な状況、および子どもの搾取などがあったが、政府は6月18日、児童ポルノの単純所持を犯罪とする法改正を行った。    他にも根強く残る人権問題として、庇護希望者の収容、女性に対する配偶者からの暴力およびセクハラ(性的嫌がらせ)、外国人実習生の搾取を含む人身取 引、マイノリティー・グループ、レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー(LGBT)、および障害者に対する社会的差別などがあった。   政府は人権侵害を禁止する法律を執行し、侵害行為を行った政府職員を訴追した。 第1部 個人の人格の尊重(以下の状況からの自由) a. 恣意的または違法な人命のはく奪  政府またはその職員による、恣意的、または違法な人命のはく奪は報告されなかった。 b. 失跡   政治的動機に基づく失跡の報告はなかった。 c. 拷問およびその他の残酷、非人道的、または屈辱を与えるような処遇または処罰   法律はこのような行為を禁止しており、知られている限りでは、政府職員がこうした行為を行ったという報告はなかった。  10月28日、検察審査会は、2010年の強制送還中のガーナ人男性の死亡に関与したとされた10人の入国管理局職員 について、不起訴処分とした2012年の地方検察庁の決定を支持した。この検察審査会の決定により刑事手続きは終了したが、国に賠償を求める民事訴訟は引 き続き係争中であった。11月、羽田空港で上陸を拒否されたスリランカ人男性が、東京入国管理局で退去強制手続き中に死亡したという報道があった。この男 性が収容施設の居室で倒れた後、入管職員が救命措置を施し、救急車を呼んだが、病院で死亡が確認された。この事案は捜査中であった。  日本政府は依然として、死刑囚に対し、死刑執行日に関する情報を事前に提供せず、死刑囚の親族に対しては、死刑執行 後、その事実を告知した。政府は、この方針は受刑者に自分の死期を知る苦しみを与えないものであると考えた。 権威ある心理学者の中にはこの論理を支持する者もいたが、異議を唱える者もいた。  2014年には、自衛隊でのしごき、いじめ、セクハラが継続した。4月23日、東京高等裁判所は、2004年に発生し た21歳の自衛隊員の自殺について、暴行、恐喝および監督義務の不履行との因果関係を認め、国および元自衛隊員に対し、約7330万円(69万1500ド ル)の損害賠償の支払いを命じた。同裁判所はまた、証拠隠匿により、国に対しさらに20万円(1890ドル)の損害賠償の支払いを命じた。8月26日、自 衛隊は18人の女性隊員にわいせつ行為をしたとして、男性1等陸曹を停職処分とした。防衛省は2013年4月から2014年3月までに、42人の自衛隊員 を懲戒処分にした。 刑務所および収容施設の状況  刑務所の状況は、全般的に国際基準に合致したものであったが、いくつかの施設では定員超過や、冬季の暖房または夏季の冷房の不備があった。 物理的な状況  2013年末時点の被収容者数は6万2971人で、2012年からわずかに減少した。この数字には判決を受けた受刑者 だけではなく、勾留されている被告と被疑者も含まれており、そのうち女性は5056人であった。未成年者は含まれていない。当局は、刑務所と収容施設で、 被収容者を男女別々の施設に収容した。全国の被収容者数は、施設の収容可能人数である9万536人(2013年末時点)を大幅に下回ったものの、4カ所の 刑務所で定員超過が報告された。判決を受けた女性受刑者を収容する施設は、全国で定員の82.9%以上に相当する数の受刑者を収容していた。当局は、刑務 所や通常の収容施設では20歳未満の未成年者を成人とは別に収容したが、入国者収容施設では未成年者を成人と別の施設に収容することを義務付ける規定はな い。   刑務所や拘置所における死亡事例はまれであった。2013年にビルマ人庇護希望者が死亡した入国者収容施設と同じ施 設で、3月、2人の被収容者が死亡したという報道があった。食事を喉に詰まらせたイラン人男性は、治療のため地元の病院に運ばれたが、翌日死亡した。2日 後、単独室にいたカメルーン人の男性が意識不明の状態で発見された。収容施設の職員が救命措置を施し、救急車の出動を要請したが、病院へ到着してから1時 間後に死亡が確認された。収容施設の広報担当者は、このカメルーン人被収容者が死亡する数日前に体調不良を訴えたことから単独室に移し、医師の診察を受け ていたと語った。両事案の死因については不明のままである。2013年に、57歳のビルマ人被収容者が脳卒中の発作を起こして死亡したが、このとき同施設 の職員は当直の医師が昼食中だったと説明した。当局は、この被収容者が倒れた約1時間後に医師を呼んだものの、彼はその後病院で死亡した。  一部の施設では、受刑者を寒さから守るための衣類や毛布が十分に与えられていなかった。ほとんどの刑務所は、冬季に夜 間気温が氷点下まで下がっても暖房を入れなかったため、受刑者は多岐にわたる予防可能な寒冷傷害にかかった。東京の外国人受刑者は引き続き、寒さに長期間 さらされたためにさまざまな程度のしもやけができた手足の指を見せた。  信頼できる非政府組織(NGO)と、この分野の外国の専門家の報告によると、一部の施設では食料や医療処置が依然とし て不十分であった。この分野の外国の専門家は、2014年に、刑務所の食事が不十分なため、受刑者の体重が減少している事例を確認した。受刑者には飲料水 が提供された。 ...
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