これまで以上にインド太平洋地域との関係を強化する米国

ウィリアム・F・ハガティ大使
ジャパンタイムズへの寄稿記事を日本語訳したものです。

*下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。

2018年10月25日

トランプ大統領は9月の国連総会で、相互尊重と主権に基づく各国の協調に向けた明確な構想を提示した。米国が望むのは自国の運命を自ら管理できる強いパートナーだと述べ、自身の外交政策がいかに米国と世界をより安全かつ強固にし、経済的繁栄に寄与しているかを説明した。

インド太平洋地域ほどそれが当てはまる場所はない。この地域における北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対する同盟国と我々の対応、持続可能な域内インフラ整備への深い関与、安全保障関係改善のための援助、非市場志向型の政策と慣行に対処するパートナーとの協力は、インド太平洋地域が直面する機会と課題に関して、米国が今まで以上に日本などと共に取り組んでいることを示している。

米国の継続的なリーダーシップと取り組みを示す最も明確な例は、北朝鮮との外交関係樹立を実現するための我々の国際的な取り組みである。日本と緊密に調整し、我々はこの地域および世界中の国々と協力し、北朝鮮に圧力を加える運動に取り組んだ。全会一致で可決された国連安全保障理事会決議は3度に及び、6月にシンガポールで行われた歴史的な米朝会談で、ついに金正恩から最終的かつ完全に検証された非核化の約束を引き出した。これらの約束の実現にはまだ多くの課題があり、米国はその実現に向け引き続き北朝鮮に働きかけていくが、我々はもはや弾道ミサイル発射や核実験の差し迫った脅威には直面していない。同盟国である日本と韓国の揺るぎない決意のおかげで、我々の即応態勢と抑止力は高く保たれ、同盟国の総合的な力は我々の安全を保っている。

米国は70年以上にわたり、インド太平洋地域の自由と開放性、そして繁栄を促進してきた。トランプ大統領の国家安全保障戦略は、これらの取り組みを最優先課題として強調している。トランプ政権は、米国のインド太平洋地域への投資は、米国、経済、そして全世界のためであると考えている。今や我々は、持続可能性を確保するため、さらなる民間の参入を支援し、雇用と富を創出する一方で、質の高いインフラ投資に向けた開発努力を重視し、制約の多い国家主導の取り組みに代わる強力な方法を提供するための開発金融機関の組織改革を行っている。この取り組みの一例が、「米国の海外インフラ投資の枠組みを支援・強化するための法案」(BUILD)である。海外の戦略的機会への米国の民間投資を支援するため、米国政府の開発融資限度額が2倍以上の600億ドルに引き上げられる。もう1つの例は、新たに発表されたインド太平洋地域のインフラ事業に投資する、米国、日本、オーストラリアの3国間パートナーシップである。これは、米国海外民間投資公社(OPIC)が、昨年日本のパートナーとともに調印した2つの合意と、OPICがこれまでインド太平洋全域で、エネルギー、教育、金融、農業分野で支援してきた重要な現在の投資に加わるものである。

このような取り組みを成功させるには、我々は今後も、インド太平洋地域の海上、空域、将来にわたる安全なサイバー空間に、自由で開かれたアクセスを確保していく必要がある。8月にシンガポールで開催された東南アジア諸国連合の会合で、まさにその実現を目的とした、この地域のための我々の新しい安全保障構想が発表された。安全保障を支援するおよそ3億ドルの拠出は、インド太平洋全域の国々の海洋安全保障、人道支援、災害救援、平和維持能力を強化し、国際犯罪に対処するものである。これは我々が過去3年間に提供した支援を上回る。米国が今年新たに増額した防衛費は、この地域の安全保障問題への対処を正面から見据え、航行と上空飛行の自由を確保する我々の取り組みを強化し、合法的な海上と空域の利用を尊重するものである。我々は自衛隊の即応態勢と有効性だけでなく、米軍との相互運用性を強化するため、米国の同盟国である日本に、引き続き最先端の防衛能力を提供していく。

最後に、米国は公正で互恵的な貿易に引き続き取り組んでいく。国連総会を機会に、米国は知的財産収奪、強制的技術移転、産業補助金、国有企業が生む各種の歪み、そして過剰生産など、第3国による不公正な貿易慣行に対処する日本と欧州連合との共同行動計画に合意した。その目的を達成するため、世界貿易機関改革など、我々は今後の幅広い強固な行動を視野に入れている。これらの取り組みは、全ての国に恩恵をもたらす世界的な通商制度構築における関与と指導力を、我々が重視していることを改めて示している。

我々が故郷と呼ぶインド太平洋地域は、米国経済と安全保障の利害にとって重要である。この地域への我々の関与は、米国の利益だけでなく、パートナー、同盟国、隣国の利益に資する。実際トランプ大統領は、米国がこの地域に関与するのは、平和を広め、安全保障を促進し、我々のパートナーと協力して、主権国家が繁栄する、真に自由で開かれたインド太平洋地域を実現するためだと述べてきた。米国の揺るぎない同盟国日本とともに、この地域と我々の関係は、かつてないほど強固である。