イバンカ・トランプ大統領補佐官の国際女性会議WAW! 2017での講演

Ivanka Trump, right, adviser to and daughter of U.S. President Donald Trump, and Japanese Prime Minister Shinzo Abe attend a meeting of the World Assembly for Women (WAW!) in Tokyo Friday, Nov. 3, 2017. (Kim Kyung-hoon/Pool Photo via AP)

*下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。

2017年11月3日、東京

安倍首相、心温まるご紹介どうもありがとうございます。また私の家族への温かいおもてなしに感謝いたします。

今回は私にとって初めての日本訪問ですが、日本の皆さんの温かさ、美しい景色、活気に満ちた日本の文化は、この国を訪れる全ての人たちへの本当に素晴らしい贈り物です。昨夜東京に到着したとき、壮大な高層ビル群の景色に心を打たれました。そして今朝は歴史ある皇居の美しさを目にし、畏敬の念を覚えました。この国の素晴らしさは、日本国民の創造力と強靭さの証左です。

本日は、国際女性会議WAW! 2017に出席でき光栄に思います。非凡な才能と情熱にあふれたリーダーの方々とご一緒して、女性の経済的な活躍推進について議論し、社会がこれまでに成し遂げてきた進展を祝し、将来に向け大胆な道筋を描くことをうれしく思います。

女性の経済的な活躍推進は、長年にわたり私が力を入れてきた事柄の1つです。人口の50%を占める女性が労働市場に本格的に参加できるようにすることは、それぞれの社会の強化と、私たちのさらなる繁栄に不可欠です。

だからこそ私は父の大統領選出後、経営の仕事を離れ、女性が経済活動に全面的に参加すると決めた場合には、これを可能にする政策や取り組みを推進するため政府で働く決意をしました。女性が仕事を続けながら家族の世話もできる政策、労働者の能力開発と技能訓練を重視する政策、米国民が自らの向上心を素晴らしい遺産に転化できるよう起業家精神を育てる政策です。

私たちの社会は重要な転機を迎えています。大きな課題とチャンスの時です。

過去半世紀の間に、女性は想像しうるあらゆる分野に進出し、経営トップに上り詰め、いまや世界有数の大企業を率いる人もいます。私たち女性は、生命を救う治療法を発見し、宇宙に飛行し、革新的な技術を生み出してきました。今日ここにお集まりの女性たちは、こうした歴史的な偉業を代表する方々であり、さらに明るい未来に向けて光をともしています。

40年前日本では、家庭の外で働く女性は全体の45%でした。今日では、生産年齢人口に占める女性の就業率は66%になっています。大きな改善であり、日本という国に対する安倍首相のビジョンのおかげで今後も大きく増え続けることでしょう。

このビジョンの中心にあるのは、ウィメノミクスです。

ウィメノミクスは、世界人口のおよそ半分を占める女性が、真の経済成長を達成するにあたり中心的な役割を果たすことを認識しています。働き、目標を達成し、指導力を発揮する力を与えられた女性は、私たちの経済、そして世界全体に、多大な創造力、斬新な発想、成功をもたらします。

女性が働くと、独自の相乗効果を生み出します。男性に比べ、女性は他の女性を雇用し、女性に資本、助言、人脈を提供する傾向が強くなっています。女性は、自身の収入の90%を家庭と地域社会に再投資し、子どものためになり、数世代にわたり社会を向上させるリソースである、食料、医療、教育などにより多くの資金を割り当てる傾向があることが分かっています。女性が仕事を持つと、経済的に自立するだけでなく、家族と地域社会にとってより良い未来を創り出すのです。

現在、全世界で推計49%の女性が働いています。女性が仕事と社会のあらゆる面で男性との格差を埋めることができれば、今後10年間で世界の年間国内総生産(GDP)が何兆ドルも増加するでしょう。

私は、家庭で専業主婦として家族の世話をする選択した女性を深く尊敬しています。この素晴らしい仕事を否定するつもりは毛頭ありません。ただ、女性が外で働くことを選択した場合には、そうした女性全てにその自由が認められるべきです。

従って、私たち女性の経済的潜在能力を最大限に引き出すため、将来に向かって私たちを前進させてくれる4つの基本的な変革に取り組まなければなりません。

第一に、官民のリーダーとして、職場の近代化への道を開かなければなりません。

働く女性の比率は飛躍的に増えたものの、(女性に対する)企業の期待は今も決して高くありません。

今日、米国では、女性は労働力の47%を占めています。

米国では、子どものいる家庭の圧倒的多数は両親が共働きで、40%の世帯で主な稼ぎ手は女性です。

にもかかわらず、職場環境と社会制度は、依然として稼ぎ手が1人という考え方に立脚しています。つまり、一方の親が―これは伝統的に母親ですが―家にとどまり、常時家族の世話をするという考え方です。

非常によくあることですが、私たちの職場文化は、しかるべき敬意を持って女性を処遇することを怠ってきました。これはハラスメントなど多くの形で現れ、決して許されるべきではありません。

また旧来の融通のきかない企業文化は、長時間、予測のつかない時間に働き、ほとんど休みを取ることができないなど、働く母親や、そして父親にとっても、好ましいものではありません。

病気の子どもの世話をするため家にいなければならないと上司に伝えることを恐れる母親があまりにも大勢います。そして多くの母親が出産後数週間で職場に復帰しなければなりません。そうしないわけにはいかないからです。

働く親たちは毎日、避けることのできない困難な選択を迫られています。

私には、国際的な不動産事業を率いる役員として、また全く異なる産業でブランドを成功させた起業家としての経験があり、こうした民間部門での経験を踏まえて政権入りしました。

3人の幼い子どもを持ちながら働く1人の人間として、家庭では人の助けを借りることができていますが、私も仕事と家庭を両立させる苦労を味わっています。

けれども私は他の多くの人たちよりずっと恵まれています。

これまでの人生で多くの機会を与えられてきたため、今回この機会を捉えて政権に参加する義務を感じました。

私は、女性が経営する多くの企業を支援し、経済を成長させる機会を得たのです。

コンピューターのプログラミングやロボット工学を学べば、現代の経済において高賃金の職に就くことができる、地方や貧困層の多い都心部の少女たちのために働く機会を得たのです。

病気の子どものために家にとどまるか、解雇されないよう出勤するかの選択に直面する女性を擁護する機会を得たのです。

職場と公共政策に私たちの価値観を反映させなければなりません。それは「仕事も家庭も」という価値観です。

今こそ、女性がキャリアで挫折に直面することなく、母親としての喜びを経験することを容易にする新しい革新的な方法を、社会が見つけ出すときです。これは女性の問題ではありません。家族の問題です。にもかかわらず、この問題は女性に過度に偏って影響を及ぼします。子どもや、世話が必要な成人した家族の面倒を見てくれる手ごろな料金のサービスを利用できないため離職したり、目標をあきらめたりするのは、たいていの場合女性だからです。

それでも先進国では、徐々にではありますが、家庭における、より平等な責任分担に向けた動きが見られます。家事や子育てに協力する若い父親が増えています。

私たちには、職場をこの現代の実情に適応させる大きなチャンスがあります。

現在では、私たちは手のひらの上でメールに返信し、世界中ほとんどどこにいても電話に出ることができます。単発または短期の仕事を基盤とした「ギグ・エコノミー」では、フレックスタイムで働き、自宅で子どもを寝かせてから残りの仕事を片付けることができます。

過去10年間で私たちの働き方は大きく変わり、今では女性がさらに柔軟に働けるようになる可能性があります。

すでに、時代遅れの労働環境を離れ、自宅の食卓で自分の会社を立ち上げる女性が増えています。今日では、女性起業家が活躍しています。

幸いにも、民間企業は職場近代化の重要性を認識しています。企業は、1つには有能な女性を採用し、離職を防ぐために、フレックスタイムや有給休暇のような制度を設けています。

取締役会に女性がいる会社は、いない会社に比べ、自己資本利益率が高く、危機や不安定な時期にあっても高い業績を上げます。

女性の社会参画と活躍を促すことは、好ましい企業の方針であるばかりか、事業の成功にもつながります。

第二に、企業文化の変革に加えて、現代の労働力の構成に対応した公共政策を進めなければなりません。

米国では、子どものいない独身女性の賃金は、男性の賃金を1ドルとした場合95セントであり、既婚の母親はわずか81セントです。米国のあまりにも多くの女性が、出産後退職を余儀なくされています。

私たちは、働く母親を支援し、彼女たちが潜在能力を最大限発揮できるような連邦政府の政策を策定しなければなりません。これこそ、深く結ばれた家族が繁栄し、経済がこれまでにないレベルで成長する環境を創り上げる道です。

だからこそ米国では、各家庭が真に必要とする支援を提供する、長年にわたり延び延びになってきた大幅な税制改革を成立させる努力をしているのです。税法を簡素化し、税率を下げ、子どもに関する控除を拡大し、マリッジ・ペナルティ(夫婦の所得を合算して申告すると所得税が高くなる制度)を撤廃し、勤勉な米国人労働者により多く還付されるようにします。

現政権は、米国の高い保育料の問題に取り組んでいます。現在の保育料は、国のほとんどの地域で住宅費や州立大学の学費を上回っています。現代の勤労者世帯が子どもを持てないほど、保育料が高くてよいはずがありません。

日本で育児・介護休業制度を拡充した安倍首相に拍手を送ります。勤労者世帯が抱える現在の課題に取り組み、女性の労働参加を維持する重要な一歩です。

今年、史上初めて、全米で有給家族休暇制度を導入する案が大統領予算案に盛り込まれました。時間がかかることは承知していますが、これを実現し、米国の勤勉な労働者に家族のためになるより多くの解決策を提示できるよう、党派を超えて議会と緊密に協力する決意です。

第三に、急速な技術発展の時代において、私たちは、労働者の能力開発という課題にも向かい合わなければなりません。

将来を展望するにあたり、米国の内外を問わず全ての女性が第4次産業革命から取り残されないようにすることが極めて重要です。これは、ロボット工学、コンピューター・プログラミング、人工知能、ソーシャルメディアなどの最先端技術を社会のあらゆる面に組み込む革命です。

技術(の発展)によりあらゆる産業が変貌していくなか、教育や産業面で女性が男性と同じ機会を持てるよう取り組まなければなりません。

科学・技術・工学・数学(STEM)分野への女性やマイノリティー・グループの参加は、誤った方向に向かっています。今日、女性のエンジニアは全体の13%にすぎず、コンピューターサイエンス関係の専門職では24%と、1990年の35%から減少しています。こうした伝統的に男性優位の経済分野に、(女性が)対等に参加できるようにしなければなりません。これらの分野は、世界で最も成長が速く、最も利益の多い産業に数えられるからです。今後数十年間で、自動化やロボット工学などの技術により、私たちの働き方は変わるでしょう。そして私たちは、女性が将来の経済を主導できるようにしたいのです。そうしなければ、いつまでも続く男女間の賃金格差を埋めることができないばかりか、私たちがこの厳しい闘いでやっと勝ち得た前進を後戻りさせることにもなりかねないのです。

数カ月前、トランプ政権は、学校でSTEM教育、特にコンピューターサイエンスの教育を優先させるよう教育省に指示しました。私たちが示した指針では、性別と人種の多様性を念頭において、教育プログラムを作成するよう指導しています。

大統領の指示により、労働者の能力開発や実習など、すでに効果が証明されている実務研修を優先させるため、私は各政府関係機関の上層部と緊密に連携してきました。これにより、若い女性、そして男性にとっても、学びながら収入を得て、家族を養い、21世紀の進歩を促進する技術を習得する機会が増えます。

最後に、私たちは、女性が主導的役割を果たすことを妨げる国々に住む女性の自立支援をしなければなりません。

女性がその国の経済活動に全面的に参加することを妨げる法律が、依然として世界各地に存在します。

女性が自身の財産を所有し、自由に旅行し、夫の同意なく家の外で働くことを認めない国もあります。

米国や日本のような国々も満足しているわけにはいきません。自らの国で継続して改革を訴え続けながら、経済活動が制限された国の女性の自立を支援しなければなりません。

だからこそ今年の夏のG20サミットで日米は、世界銀行と連携する新しい大胆な取り組み「女性起業家資金イニシアティブ」(We-Fi)の設立メンバーとなりました。これは、途上国の女性起業家を支援する、この種のものとしては初めての機関です。成功するために必要な資金、人脈、助言を受けられるようにし、世界中の女性の起業環境に劇的な影響を及ぼすでしょう。

私たちは始めたばかりです。

本日東京に集うなかで、私たちの世代を鼓舞してきたこの国の偉大な女性パイオニアたちのことを考えずにはいられません。

篠原欣子さんのような女性です。

篠原さんは第2次世界大戦を生き延び、秘書として仕事を始め、狭いアパートで小さな会社を興しました。彼女の会社は10カ国以上に事業展開する、世界でも有名な企業に成長しました。皆さんご存知のように、篠原さんは、たたき上げで億万長者になった日本で最初の女性です。現在は、若者が夢を追求し、社会に貢献するために必要な教育を受けることができるよう支援しています。

篠原さんのようなパイオニアのおかげで、日本の、そして世界各地の女性たちは、大きな志を持って高い地位を目指し、新たな道を切り開いています。

今日、私たちは成功を再定義しています。私たちは、理想的な女性、理想的な労働者、理想的な母親に関する従来の公式を捨て去ろうとしています。成功する女性、そして自らの事業、地域社会、家庭の繁栄に貢献する女性について、より現実的で完全なイメージの形成に寄与しようとしています。

実際のところ、全ての女性が「働く女性」です。毎朝職場に通勤する女性、毎日を家で子どもの世話に費やす女性、あるいはその両方の組み合わせもあるでしょう。正直に言うと、子どもたちに振り回されながらも素晴らしい週末を過ごした日曜の夜は、職場で忙しく長い1週間を過ごした金曜日の夜よりずっと疲れています。私は、家庭で子育てに専念する選択をした女性に深く敬意を表し、その決定を尊重します。

法的そして文化的な障害を排除あるいは緩和し、より多くの両親が家族にとって正しい選択をできるようにすことが、私たちの世代の基本的な使命です。男性について「働く男性」と言うことはありません。私の娘、アラベラが大人の女性になるころには、彼女が外で働くか、家庭の中で働くかで判断されるようなことがなくなっていることを期待します。娘が男性と同じ機会を得て、独自の潜在能力を発揮するために必要な教育と支援を受けられる1人の女性となることを望みます。

女性の活躍推進とはそういうものだと私は考えます。また、そうすることにより、女性たちは自信を持ち、人と共感でき、大志を抱く息子や娘たちを育てることができ、これまでにない成長と雇用創出を推し進めることができます。そして豊かな人生、仕事の尊厳、力強く繁栄する家族という贈り物を受け入れる社会を創り出すことができます。

本日、皆さんがこのような将来を私と一緒に思い描き、それを実現するため共に努力してくださることを期待します。子どもたちのために、国のために、そしてより活気のある、誰もが参加できる経済を実現するために。

ありがとうございました。