ミシェル・オバマ大統領夫人来日に伴い発表された、女子教育向上のための日米連携に関するキャロライン・ケネディ駐日米国大使のあいさつ

おはようございます。本日は、私が心から尊敬する3人の女性と共に、今日の世界が直面する最重要課題のひとつ、女子教育についてお話しできることを光栄に思います。

最初に一言申し上げます。チュニジアで日本人が亡くなったことを知り、私は深い悲しみを覚えています。犠牲者のご家族、日本国民の皆さまに謹んで哀悼の意を表すとともに、この銃撃事件で負傷された方々の回復を心よりお祈り申し上げます。

世界中の母親たち、娘たち、姉妹たちへの教育ほど、平和や家族の貧困からの脱出に大きく貢献するものはないでしょう。しかし今日の多くの課題と同様、この問題は1国の行動だけでは解決することができません。

これには民主主義と人権のために尽力する国家間の連携が必要です。この基本的価値観をこれほど堅く守っている国は、米国と日本をおいて他にありません。

日米にも障壁はまだ存在しますが、両国の少女たちは幸運にも教育を受け、自分たちの生活や社会を変えることができます。日本に来る前の10年間、私はニューヨーク市教育委員会で働き、そこで毎日、知識の力で世界が変わっていくのを見てきました。

私は大使就任以来、社会に貢献するため自分が受けた教育を活用している若い女性たちに出会いました。彼女たちは被災した東北地方の復興に尽力し、 他の女性の政界進出や昇進を後押しし、障害者やレズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー(LGBT)の権利を訴えています。

また、途上国で学校建設を支援し、清潔な水へのアクセスを向上させ、気候変動の脅威を学び、日本が得た恐ろしい自然災害の教訓を共有する活動にすでに取り組んでいるグローバルハイスクールの生徒たちにも会いました。

他国の人々支援するためこのように幅広く取り組む姿勢は、日米が共有する価値観の1つです。日米は世界の開発援助の4割以上を占めています。今週 仙台で開催された災害リスクの軽減と人道支援に関する国連防災世界会議は、世界で最も弱い立場にいる人たちへの支援における日本のリーダーシップおよび日 米の世界規模での連携を示すもう1つの例となりました。

この仕事に50年以上にわたり日々取り組んできたのが、平和部隊と青年海外協力隊(JOCV)です。ほとんどの人が一度も訪れることがないような 場所で、若い米国人と日本人が生活し、人間の尊厳および平和に対する最も基本的な、しかし一見して克服するのが難しい障壁を取り除く活動に従事していま す。そして、このような障壁に直面している人には偏りがみられ、その大部分は女性です。

本日、日米両国は、平和部隊を成功に導き、永続する影響力を持つ組織としたものと同様のエネルギーを持つ、新しい強力なイニシアチブを発表しま す。1960年の大統領選の選挙運動の終盤に立ち寄った遊説先で、父は午前2時に大学キャンパスの階段に立ち、若者が人生の一時を費やし外国の人たちのた めに奉仕し、より平和で、繁栄した社会を構築するためのスキルを彼らに教えるだけでなく、その人たちからも学ぶべきであるという考えを突然提唱しました。

次の数週間で、2万5000人以上の学生がこの呼びかけに応えました。そして父が大統領に就任して2カ月もたたないうちに、平和部隊が創設されました。

現在に至るまで、21万5000人以上のボランティアが外国で活動し、帰国後は米国を改革しています。

これこそ我々が今、女性や少女のために必要としている対応です。問題を抱え、暴力がはびこる世界に平和をもたらすために必要なものは何でしょう。自問してみてください。

その答えの1つであり、何度も効果をあげてきたものに、献身的な人々の実践的理想主義があります。彼らは自らの文化とは全く異なる文化のなかで生 活し、働くことで変化をもたらし、少女の両親や祖父母と協力し、彼らの娘や孫娘が尊厳をもって生き、学校を卒業し、夢を追求し、家族を貧困から救い出す力 を授けようとしています。

「女子に教育を」(Let Girls Learn) イニチアチブは、互いを理解し、コミュニケーションをとり、互いに教えあい、互いに学ぶという時間のかかる日々の活動に投資することで、子どもたちに引き継いでほしい世界の実践モデルを創りだすことができます。

ケネディ大統領の娘として、本日この場にいることを誇りに思います。もし父がこの場にいたら、ミシェル・オバマ大統領夫人、安倍昭恵首相夫人とい う2人の素晴らしい女性による取り組み、そしてお二人が今朝表明する約束によって人生が変わるであろう何千人もの少女から大いに感銘を受けると確信してい ます。